4. ハウスにおけるホスピタリティ
〜研修会での話し合いをもとに〜
④ さりげなさ
家族が自らの力で日常性を再構築して、前向きに子どもの治療生活に向き合えるようになっていくことを見守るのがハウスの役割です。そのために、前述したように、ハウス運営者には、相手の立場にたち、対等な関係性にもとづくコミュニティをつくっていくことが求められます。
それを実現するため、ハウス運営者は、押しつけがましくない対応、さりげなく自然な対応が求められます。付き添い生活をする家族は、医療従事者や親 戚など多くの人のサポートを受けながら過ごしています。そのため、「ありがとう」の感謝の言葉を言うことが多くなり、それが逆に負担になってしまうという声も聞きます。そのため、ハウスでは利用者が自然に過ごすことができるように、さりげない対応を心掛けています。
ハウス運営者は、感謝の言葉をもらう直接的な見返りを望むのではなく、家族が前向きに子どもの治療に向き合えるようになっていく変化を見守るという役割を意識することが大切です。
子どもの体調のことをすごく心配しながらハウスで過ごしていた時、ハウスマネージャさんに挨拶の言葉もほとんど出せないこともありました。でも、優しく、でもあえて何も聞かずに部屋で休ませていただいたり…すべてのお心遣いに本当に感謝の限りです。
研修参加者のアンケートより【キーワード:さりげなさ】
押しつけがましくない親切
自分が何かしてあげるということではなく
相談を聞きまわるのではなく、黙って
こちらのペースで押し付けず、相手に気をつかわせないように
押し付けでないこと 人の立場を考えて
直接話すことだけでなく、"気にかけてますよ"というサインがみえることは安心に繋がると思う
さりげないおもてなし
話し掛けやすい"すき"を作る
わざとらしくなく、また努力してということでなく、自然な言動
自然な対応で迎え、自然に相手がふっと笑顔になれたり、安らげる気持ちになれたらいいなと
過剰すぎず、足りなさ過ぎず、さりげなく
付かず離れず、困っているときは手を差し伸べられる距離で
必要以上に相手の領域に踏み込まない
理解することは大切だけれど、無理にアクションを起こす必要はない
相手を認める。それでいて踏みこまない距離感
特別に感動、感謝してもらう必要はなく、当たり前の日常を過ごしていただく
特別扱いせず、日常を感じられる環境
安心を与える
行き過ぎた思いは重く、逆に負担となることもあるため
相手に気を使わせないため
利用者さんも自然体でいられるから
その心が受け止め易いので
利用者さんからこころを開くことを待つため
一人じゃないと思えると、安心感を受ける
介入しすぎず干渉しすぎず、でも理解する思いを忘れないのが、よいと思うから
ボランティアの優しさを気付かずに過ごせる心遣いを