2. 事業目的と概要
〜ハウスにおけるホスピタリティとは〜

ハウス活動の機軸は、病気の子どもと付き添い家族に、低い経済的負担で滞在できる環境を提供することだけではありません。それだけでは、単なる安宿と変わらなくなってしまいます。ハウスで、誰が、どのような気持ちをもって家族を迎え入れるか、そのホスピタリティが非常に重要な要素であると考えています。

患者家族滞在施設のことを、英語では「ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス」と呼び、やはり活動の中心には「ホスピタリティ」が位置付けられています。また、日本でのハウス活動が20年以上を経過し、各ハウスを利用した家族から寄せられる感想の手紙などからも、単に宿泊するだけの場所として役立っただけでなく、気持ちが支えられたという声を多く聞きます。

こうしたハウスにおけるホスピタリティを今後も大切にしていきたいと考えています。そのため、新しく活動に加わるボランティアやスタッフにも、ハウスのホスピタリティを理解してほしいと思っています。

しかし、私たちはハウスにおけるホスピタリティを言葉にすることが非常に難しいという問題意識を持っています。「ホスピタリティ」を日本語にする と、一般的には「おもてなし」と訳されます。しかし、「おもてなし」という言葉は、ビジネスにおけるサービスのイメージもあり、ハウス活動にはしっくりこないところがあると感じています。

そこで、ハウスにおけるホスピタリティを言語化し、活動を初めて知る人に分かりやすく説明できるようにすることを目的に、全国のハウス運営者が集まりホスピタリティを考える研修会を開催することにしました。

研修会では、ホスピタリティを議論し、それを踏まえて参加者が考える「ハウスのホスピタリティ」をアンケートに記入してもらいました。そのアンケート結果にもとづいて、今回の事業で見出された「ハウスにおけるホスピタリティ」をこの報告書にまとめました。

事業概要

患者家族滞在施設のホスピタリティ検討・研修事業

  • 検討委員会の開催 (2011年8月、9月、11月)

  • 研修会の開催 (2011年9月25日)

  • 本報告書の作成

  • 報告書の配布・WEB ページ掲載

画面TOPへ