本文へジャンプするためのナビゲーションスキップです。
本文へジャンプHOME >トータルケアとしてのハウス > 論文・関連資料一覧 > ハウスの認知度とニーズ調査 報告書 > ハウスって何?
子どもが高度治療の必要な重い病気になったとき、治療できる病院が自宅から通いきれない場所でも、家族は子どものために、その病院に駆けつけます。入院期間が数ヶ月になることも少なくありません。
家族は、面会時間内に子どもに付き添ったのち、夜は病院の外に宿泊先を求めることになります。ホテルでの連泊や、外食ばかりになり、出費がかさんできます。もし病院に泊まることができても、簡易ベッドやカーテン1枚だけで仕切られた落ち着かない環境での生活になり、身体的にも辛くなってきます。なにより、見知らぬ土地の病院生活では、知り合いもいなく緊張感と孤独感が大きくなりますし、仕事や学校のために地元に残っている家族のことも心配です。
このように、家族は、子どもの病気のことだけでも不安が大きいのに、さらに自分の滞在場所のことでも、経済的・精神的・身体的負担を抱えることになります。
闘病中の子どもの気持ちを支えるのは、そばに付き添う家族の存在です。そのため、家族が疲れきってしまっては、子どもの治療への意欲に良い影響を与えません。
そこで必要になるのが、病院近くで「わが家」のように過ごせる患者家族滞在施設(ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス)です。ハウスは、少ない経済的負担で利用でき、プライバシーが守られた環境で、ゆっくり寝たり、料理や洗濯など生活に必要な設備も揃っています。
ハウスの活動は、日本では1990年前後から、闘病経験のある家族や、病気の子どもと家族のことに同じ問題意識をもつ医療従事者から始まりました。そして、多くの個人や団体、企業の方々から、寄付やボランティアとしての協力を得て、ハウスが開設されました。
各地でも、必要性を感じた人たちが集まり、独自にハウスが開設され始めています。いずれも非営利で運営されていますが、運営主体は多様で、財団/NPO/ボランティア団体によるもの、病院が直接運営しているもの、企業の社会貢献として運営されているものに大別されます。
また、ハウス運営団体が集い、病気の子どもと家族にとって、より役立つハウスとしていくために、ネットワーク会議を開き情報交換を行っています。2006年には、ハウスとして大切にすべき事項を運営団体間で確認し、「福岡合意」という文書にまとめました。
2008年3月現在、全国に約70運営団体が125施設を運営するに至っています。