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米国患者家族滞在施設ネットワーク研修報告書

はじめに

NAHHHについて

カンファレンス概要

参加したプログラム

理事との話し合い

おわりに

研修日程と概要(PDF)

病院・滞在施設見学(PDF)

報告書一式(PDF)

参考資料・参考URL

おわりに

イラスト

今回私たちが米国研修を実施しようと思った背景には,滞在施設を日々運営していての様々な疑問がありました。ハウスはどうあるべきなのか,今後ハウスが日本で社会的に位置づけられていくときに,どんなあり方になるのか,そのためのネットワークはどうあったらいいのか。

そこで,かねてより念願だった米国の滞在施設を訪問して,日本より長い歴史をもつ米国でのモデルを参考とできるような研修計画を作成しました。米国では1970年代に最初の滞在施設が開設されました。米国では,約580の滞在施設(ホストホームズを入れる)が存在し,滞在施設のネットワークとしてマクドナルドハウスのような共通した基準やルールをもつ同質のネットワークがいくつか存在し,そのほかに今回訪問した多様なハウスがネットワークを組んでいるNAHHHが1986年に設立されています。

今回の研修を終えて,私たちが感じたことは,まず,滞在施設運営団体が自由意志で集まり,情報共有,運営能力の向上努力を重ねる場の重要性です。NAHHHはそのようなコミュニケーションの機会を提供しており,カンファレンスを毎年開催したり,メーリングリストが設けられていました。こうしたコミュニケーションの場は,これまでの日本で開催されてきたネットワーク会議と似通っていると感じ,その重要性を再認識させられました。

また,NAHHHが近年「NAHHH core competency certification for hospitality home professionals(ホスピタリティハウスを運営するプロの証明)」を開始したことに,とても関心を持ちました。私たちも滞在施設を運営していて,ハード面の重要性はもちろんですが,それ以上に利用者に応対する運営者のソフト面が重要であることを日々感じています。NAHHHも,ソフト面に重きをおいて,滞在施設の質の維持向上のために,育成プログラムを開始したことに共感を抱きました。

一方で,日本との最大の違いは,滞在施設の利用申込み方法が,どの施設も病院のソーシャルワーカーが担当していることです。滞在施設がトータルケアの一環として,医療に必要な機能として明確に位置づけられています。

そして,何より感じたのは,滞在施設が抱えている目的や課題は,日米で大きな違いがないということです。この報告書の冒頭にもあった通り,NAHHHは「自宅から遠く離れての治療を余儀なくされる患者や家族の気持ちは皆共通である」という理念のもと設立されました。同じように,日本のどの滞在施設も,自宅を離れている患者家族が抱えている不安を減らすために運営されているので,ネットワークを組み,よりニーズに応えるハウスづくりのために,お互いに情報交換できていることに意味があると感じています。

NAHHHのカンファレンスの基調講演での以下のメッセージは,私たちにも励まされるものだと感じました。

「最初は心配でカチカチに緊張している家族が滞在施設に到着してハウスマネージャに会ったとき,その心配をとりのぞくことができることが大事。ハウスが大きいか小さいかではなく利用者のニーズにこたえられているかどうかである。」-基調講演《FROM SUCCESS TO SIGNIFICANCE》 Joslyn Vaught(exective director of patient amenities of the mayo clinic,scottsdale,AZ)

今回の研修では,私達は今後の滞在施設のあり方,滞在施設ネットワークのモデルを得るためのたくさんのヒント得ることができました。この報告書を通じて,私たちが得てきたことを,全国の滞在施設運営団体をはじめ多くの皆さまと共有させていただき,これからも日本のネットワークのあり方を一緒に検討させて頂きたいと思っています。

この米国研修が,ゴールドマン・サックス証券会社のご支援をもとに実施できたことに感謝申しあげます。

また,今回訪問した各滞在施設,病院の皆さまが,ホスピタリティをもって私たちを迎えていただいたことに,お礼を申しあげます。特に,NAHHHの理事の皆さまには,多忙なカンファレンス中に時間を頂いて,ミーティングを設けさせていただきました。事務局長には渡米前から丁寧に応対していただき,また理事長夫人からは現地で慣れない私たちにきめ細かい気配りをいただき,心より感謝申し上げます。

そして,ここではご紹介しきれませんが,今回の米国研修に際してお世話になったすべての皆さまのお陰で,今回の米国研修を無事に終え,報告書をまとめることができましたことに,心より御礼申しあげます。

NPOファミリーハウス編集委員会一同

2007年12月吉日

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