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米国患者家族滞在施設ネットワーク研修報告書

はじめに

NAHHHについて

カンファレンス概要

参加したプログラム

理事との話し合い

おわりに

研修日程と概要(PDF)

病院・滞在施設見学(PDF)

報告書一式(PDF)

参考資料・参考URL

National Association of Hospital Hospitality House Inc.について

イラスト

National Association of Hospital Hospitality House Inc.(以下,NAHHH)は,1986年に設立された米国各地のホスピタルホスピタリティハウス(以下,滞在施設)を会員とする組織である。2007年現在,米国には約580の滞在施設があるといわれ,そのうち130以上が加盟している。

NAHHHは滞在施設の定義を「患者とその家族が医療施設で治療を受ける間に,家族と患者が泊まることのできる場所である。利益を目的とせず,患者と家族の必要を満たし,利用者にコミュニティを提供しようと努力する」としている。 (原文:A home that helps and heals is a place where families and patients may lodge overnight while receiving treatment at a medical facility. It is not for profit, serves the needs of the patient and the family, and endeavors to provide community to its guests.)

各地の滞在施設が病院で治療を受ける患者・患児とその家族にとって「Homes that help and heal支援し助け合う,心の休まる我が家」であるようサポートすることがNAHHHの使命としてあげられている。また,「自宅から遠く離れての治療を余儀なくされる患者や家族の気持ちは皆共通である」という理念のもと,設立母体や利用対象者がどのようなものでも滞在施設運営者が希望すれば,会員として受け入れている米国唯一のネットワーク組織である。

NAHHHの会員は以下の3つの種別がもうけられている。
① Affiliate (特別関係)会員 年間会費 275ドル
② Provisional(仮)会員            275ドル
③ ハウス会員                 425ドル

①は,NAHHHのコンセプトを発展させることに関心のあるグループや,企業,個人など,②は,新しいハウスを計画中で,設立後にはハウス会員となる仮会員,③は,現在運営中の非営利ハウスのためのもの。1ハウスにつき1票でNAHHH議決に投票権を持つ。会員になるためのNAHHHの特別な審査はないが,ハウス会員には内国歳入法第501(c)(3)の要件(宗教,教育,医療,福祉,芸術,文化,環境,動物愛護,国際問題などの分野で活動する公益性の高い団体であること)をみたしていることの証明が,申し込み時に必要とされる。また,ホームページには「Code of Ethics」として「メンバーハウスのあるべき基準」が示されている。

ネットワーク組織であるNAHHHのカンファレンスは,毎年テーマを決めて数日間行われ,テーマに沿った基調講演,ワークショップ,年次総会などが開かれる。開催は各地域の持ち回りで,立候補の中から選出された滞在施設が中心となって運営する。今回のカンファレンス中,NAHHHの役割と仕事について理事メンバーから話を聞く時間を持つことができた。次ページより今回のカンファレンス全体の様子とともに,詳細を記す。

アメリカ滞在施設 概観

ホスピタリティハウスの専門性を高め,リーダーシップの基本的な規格を提供米国における最初のハウスは,10代の息子を亡くされたペンシルヴェニア州在住の両親が闘病をした病院近くに設立したKevin Guest House(ニューヨーク州)であるが,以来同ハウス同様地域の病院が必要と認めれば患者の年齢や疾患の制限なしに受け入れる,地域に密着したハウスが多数作られている。

その他,20歳以下の患者と家族専用のRonald McDonald Houseや陸・海・空軍基地などの病院で治療を受ける患者家族専用のFisher Houseなど,共通の基準を持ち,利用を特定しているような滞在施設が多くある。彼らは彼らのネットワークを持っているが,各滞在施設の運営者の判断でNAHHHに参加することができる。また,大人のがん患者と家族専用のHope Lodgeを運営している American Cancer Societyでは新たに40ほどの滞在施設を開設する計画があるとのこと。今年度からAmerican Cancer Societyの方も理事メンバーになっているとのことであった。

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