研修会で共有できたこと

4 対応に苦慮する利用者

【事例発表 概要】 Dハウス・ハウスマネージャ

分科会でのディスカッションのポイント

利用者の事情を理解

ハウス利用の申込段階で、ハウスの形態や決まりごとについてご理解いただけない場合については、慎重にコミュニケーションを重ねて対応しているという意見がありました。ただ、初めてハウスを利用する場合や、特に電話で申込を受けている場合は、実際にハウスを利用するまで事情が顕在化しないことも多いということも共有しました。

ハウス利用が始まってから、決まりごとが守られない状況になった場合は、どうしてそういう状況が生じているのか、利用者の事情をよく理解することが必要であるという意見が多く出ました。利用者と面談をしたり、ハウスでの過ごし方を見守ったり、病院と連携をして、利用者の事情を理解するという意見がありました。そして、それぞれの家族の事情を勘案して、ケースバイケースで対応していくことの重要性を再確認しました。

参加者アンケートより
  • パンフレットに決まりごとは書いてあるが、利用者一人ひとりの対応が違うので、お互いの立場にたって対応していくことが大事だと思いました。リスクと受け入れを状況によって判断していくことが必要です。
  • 利用者のご家族の中でも、誰をキーパーソンとするのかというアセスメントは必要な方にハウスを使っていただくためにも重要なことだと感じました。より幅広い利用者の方を受け入れていくことは、ますます運営者側のスキルが問われると思いました。
  • 十人十色の利用者に対して、適切、かつ迅速な個別対応が必要。ただし、それ以前にハウス運営(利用者も運営に責任あり)の理念を利用者に理解してもらうことが重要。

病院・行政等との連携

ハウス利用者への対応が難しくなった場合は、病院の主治医や病棟看護師長、ソーシャルワーカーなどと相談した方がよいという意見が多く出ました。また、地域の福祉行政などとの連携が必要な場合にも、外部と連携をとっていく重要性が議論されました。

ハウスだけで問題を解決しようとせずに、病院での状況、病児の状況なども理解して、必要であれば病棟・行政等と連携して対応していくことが重要です。また、そうした対応ができるように、ハウス運営スタッフが能力を向上させることが必要であろう、という意見も出ました。

参加者アンケートより
  • 病院との連絡を常に維持することが大事。
  • ハウスと病院との連携においては、メディカル・ソーシャル・ワーカー(MSW)の働きを利用する。生活モデルと医学モデルをつなぐことは難しい。個々の働きは違う。しかし、連携されないと利用者のライフスタイルを共有することはできない。リスク管理においてはMSWをチームプレイに取り入れる必要がある。
  • 病院や専門性のあるスタッフとの連携が問題解決につながるとわかった。
  • 困ったことがあれば、病院のソーシャルワーカーなどに相談できるよう、病院と連携することが大切。