ハウス活動の広がり

ハウスはアメリカから始まったといわれています

1972年、世界で最初のハウスである「ザ・ケビン・ゲスト・ハウス」がアメリカにオープンしました。白血病だったケビン少年の家族が始めたハウスです。

1974年には、現在世界30ヶ国で270箇所以上のハウスを提供している「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の第1号がアメリカに開設されました。

1986年、米国各地のハウスネットワーク団体NAHHH(National Association of Hospital Hospitality House,lnc.)が設立されました。

現在、米国のハウスは約580施設があるといわれています。

日本での活動の始まり

日本のハウス活動も、子どもの病気治療に付き添う家族のニーズから始まりました。1991年に東京・国立がんセンター中央病院小児病棟「母の会」からハウスのニーズが高まり、1993年には、日本で最初のハウス専用施設「かんがるーの家」がオープンしました(かんがるーの家は、認定NPOファミリーハウスが運営するハウスの1つです)。

全国への広がり

その後、都市部での闘病中にハウスの存在を知った患者家族が、地元で地域のボランティアと一緒にハウスを開設する形で活動が全国に広がりました。また、1998年と2001年には、厚生労働省の「慢性疾患児家族宿泊施設の整備」としてハウスの建設費が補助され、合計39施設が開設されました。その後、企業の社会貢献としてハウスを開設する企業も登場しました。こうして、現在では、全国に約125施設のハウスが存在しています。

運営団体の全国ネットワーク(JHHHネットワーク)について

全国約125施設のハウス運営団体の形態は「財団・NPO・任意団体」「企業のCSR・社会貢献活動」「病院」の大きく3種類に分かれ、いずれも安心して、少ない経済的負担で利用できるよう、非営利でボランティアにも支えられて運営されています。また、病院が直接運営するハウスの一部以外は、行政からの運営費などの支援などは一切なく、個人・企業等からの寄付とボランティアの協力によって運営が成り立っています。

1997年より、全国の運営団体が一堂に会して情報交換を図ることを目的にネットワーク会議を開催して、互いのハウス紹介、運営ノウハウの共有、ハウスの質的向上のための検討、専門家を交えた勉強会などを続けています。

また、2006年1月に福岡にハウス運営団体が集まりハウス運営の方向性が「私たちの目指すもの(福岡合意)」によって合意され、成文化されました。

その後、日本におけるハウスの認知度向上の取り組みとして、2007年3月に、ネットワークの名称を「JHHHネットワーク(日本ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス・ネットワーク)」とし、ホームページを開設しました。続いて2007年度には、ハウスの認知度とニーズの調査を行い、その結果を踏まえて、2008年度にハウスの認知度向上のための全国キャンペーンを実施しました。

2009年度は、ハウス運営の質的向上を目的に研修会を開催しました。メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンの大野寿子事務局長をお招きし、ハウス活動においても参考になるボランティアコーディネートの取り組みを講演していただきました。また、「ボランティア」「地域連携」「利用者対応」の3つのテーマによる分科会も実施して、それぞれのハウス運営団体がこれまでの活動で培ったノウハウを情報交換しました。研修会の内容を報告書にまとめ、ハウス運営のノウハウを文章化する第一歩となりました。