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3.チームワーク
ハウス活動は一人ではできない
ホスピタリティをもってハウス利用者に接していくためには、きめ細かな対応が必要です。ハウスを「病院近くのわが家」として、自宅のような場にしていくためにも、お掃除をはじめとして、一人でハウス活動をすることには限界があります。実際にハウス活動はチームで行っていくことが必要です。
しかし、ハウス運営に参加するボランティアの背景(職業、年齢、活動への参加経緯など)は様々であるため、チームワークが容易でない場合もあります。そのため、チームづくりのためには、ボランティアの共通点を明確に意識することが必要です。その共通点とは、ハウスの原点(ミッション、活動の目的)に共感して、活動に参加しているということです。この原点を、日ごろから確認し合うことで、チームワークを組んでハウス活動をすることができるようになります。
〜研修会で紹介された具体的なノウハウ〜
●活動は一人でしているのではなく、皆で行っている。皆で確認をとりながら活動をすすめていく事が大切。
●チームで活動して、情報や気持ちを共有する。仲間同士でモチベーションを上げあう事も大切。
●同じ目的のために活動している仲間同士がつながり合うことで、活動がより豊かになる。
●活動を共有することが重要。喜びはもちろん、よい事ばかりでなく団体全体の苦労も分かち合うことで、自分たちの団体だという帰属意識を高め結束することができる。
●他のハウス運営団体の活動を知ることで、同じ思いでたくさんの人が活動していることなどを知り、活動の励みとする。
●ボランティア同士で情報交換をしたり、勉強会をすることができる。
仲間を知って育ちあう
ハウス活動はボランティアで成り立っているため、活動全体のあらゆる場面で、ボランティアの活躍が期待されています。例えば、ハウスの大切な活動のひとつに、清掃があります。治療中の子どもが利用するので、清潔な環境を用意することが必要です。清掃は地味な活動ではありますが、ハウス利用者にホスピタリティの気持ちをそっと伝える大切な活動にもなっています。
また、新たな支援者を集めるために、チャリティイベントを開催することもあります。こうしたイベント運営にもボランティアの参加が不可欠です。
このように、多様なボランティア活動を、多様な背景をもつボランティアの協力で実施していくためには、ボランティア一人一人の特徴をお互いに知ることが大切です。そして、最初は、それぞれの人の得手不得手に合わせて、役割を分担することが重要です。
さらに、ボランティア同士が学び合い、成長をしていくことで、一人一人の担える活動の幅が広がっていきます。ハウス運営は、ボランティア不足で悩むことが多いのですが、新しいボランティアを集めていき、またそうしたボランティア一人一人の成長を期待し促していくことで、活動の幅が広がっていきます。そのことが、結果として、病気の子どもと家族により役立つハウスづくりにつながっていくと考えられます。
〜研修会で紹介された具体的なノウハウ〜
●ボランティアコーディネートをすることによって、ボランティア本人と団体の両者にとって、十分満足できるボランティア活動にすることが重要。
●先輩ボランティアが新しいボランティアに活動について伝え、互いに育ちあう文化を作りあげていく。
●ボランティアには3つの力(@考える力・A表現する力・B協調性)が必要。
●一緒に活動するスタッフ・ボランティアといった仲間が、どういう特徴があるか知ること。その特徴を活かして活動することが大切。
●ボランティアにもいろいろな人がいる。その人に向いていることと、向いていないことがある。たくさんのボランティアメニューを用意して、その人に向いている役割から活動を始めることも大切。
●ボランティアの自主性を重んじるだけでなく、活動の目的のためになることへのきっかけ作りや刺激も必要。