研修会で共有されたノウハウ

2.共感・理解

一人一人のハウス利用者を理解・共感する

ハウスを必要としている家族の状況は、子どもの病気の種類や病状、家族構成などによって様々です。ハウスに対して、それぞれの家族が必要としている多様なニーズを理解しようと努力することが必要です。そのことから、ホスピタリティあるハウスづくりが始まります。
多様な状況の家族と接するので、これさえ守れば大丈夫という答はありません。画一的に対応するのではなく、一人一人のハウス利用者にきちんと向き合っていくことが重要です。それぞれの家族の多様な状況を理解して、できる限り、きめ細かく対応していくという姿勢が大切です。

〜研修会で紹介された具体的なノウハウ〜

●利用者さんの役立つハウスにするために、各団体で日々模索しているが、運営団体側の思いだけでなく、利用者の声を聴くことこそ役立つハウスであり、いつも利用者と一緒にハウスをつくって行く事を忘れない。
●利用者の為に「無」になる。患者家族の立場に立って関わることが大切。
●白紙になって利用者の話を良く聞く、まずは相手を受け入れることが大切。
●家族により様々な事情がある。ハウス利用に関して、利用者の話をよく聞き、ケースバイケースで対応する。
●利用者はひとりひとり違う。表面に現れる事象だけでなく、利用者の背景にある事も考えて対応する。
●辛い状況の利用者への言葉のかけ方に随分と悩んだ。対応について答えはない。それぞれの運営者が、その場に応じて心からの気持ちを伝え接することが大切。

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活動に関わる全員が利用者の状況を理解・共感できるようにする

ハウス運営団体では、ハウス利用者と直接コミュニケーションをとる活動メンバーは限られています。それは、病気の子どもと家族は、病気になったというショックや自宅を離れた闘病生活からくる精神負担を抱えていることが多いため、一人一人との丁寧な対応が求められるためです。
そのため、直接対応するメンバーが、ハウス利用者のメッセージを、活動メンバー全員や協力者と共有する工夫が重要になります。もちろん個人情報への配慮は必要です。そうした配慮をしたうえで、ハウスが実際にどう利用されているかを活動メンバー全員で共有することで、ホスピタリティあるハウスに向けて活動を進めることができます。
ハウス利用者と接しないボランティアや寄付者が、ハウスがどう活用されているかを理解するためには、感性(共感力・想像力)を使うことが求められます。そうした感性を磨いていけるように、情報発信を工夫していくことも大切です。

〜研修会で紹介された具体的なノウハウ〜

●利用者と接する機会があった人が(あるいは利用者感想ノートを通じて)、利用者の声や喜びを伝えていく努力をする。活動の意義や必要性をみなで共有する。
●自分たちの活動が利用者にどう役立っているかイメージできる感性を磨く(イメージできると、活動へのモチベーションも上がる)。
●他のスタッフからの報告を聞いて、自分たちのしたことがどう役に立っているかイメージできる感性、想像力を皆が持ち、共感出来る事が大切。
●スタッフ・ボランティア、運営に関わる皆が情報の共有を意識的に行い、互いに活動への理解や活動の目的意義などの気持ちを深めていく。

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利用者にもハウス活動を理解してもらう

ハウス運営においては、運営者が利用者を理解するだけでなく、利用者にもハウス活動を理解し、協力していただくことが大切です。そのために、運営者は、ハウスの主旨や目的を、利用者にきちんと説明する必要があります。ハウスの主旨や目的を理解して利用していただくことが、安全で安心なハウスの継続につながります。

〜研修会で紹介された具体的なノウハウ〜

●利用者にもハウス活動を理解してもらう。利用者ができるボランティアとして、次に利用する方のために掃除をしていただくことを、声かけをすることも大切。
●利用者から、「ハウスを利用して自分のこれまでの人生観が変わった。いつか自分もできることをしたい」という言葉をもらったことがあった。利用者に活動の理解をもらうことがより良いハウス運営のために必要と再認識した。

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